新型コロナウィルス感染症は、高齢者においては感染の危険性だけではなく、家に閉じこもることによる健康への悪影響が懸念されています。
なかでも、動かないこと(生活不活発)で、フレイル(虚弱)が進みます。
たとえば、高齢者が2週間の寝たきりになると、失う筋肉量は、加齢による7年間で失う量に匹敵するといわれています。コロナ禍で外出を控えることは、歩行機会が失われ、筋肉の量や質の低下を招く大きな原因となるといえましょう。
食事は筋肉のもととなるタンパク質を中心に、さまざまな栄養素をバランス良く摂り、筋肉を減らさないように心がけましょう。
新型コロナウィルス感染症の予防を行いながら、フレイルに注意しつつ、健康の維持に努めるためには、「栄養」「運動」「人とのつながり」の3つのポイントが重要となります。
外出の際には、マスクの着用・人混みを避ける・帰宅後は手洗いをすぐに行うなどの感染予防対策を行ったうえで、次のことを実践しましょう。
食事は栄養バランスの良い、十分なエネルギーのあるものを摂りましょう。
とくに筋肉をつくるタンパク質が多く含まれる食材や、筋肉の増強をサポートするビタミンDを多く含んだ食材を積極的に食べること。タンパク質は成人男性の方で、1日に65gが推奨量とされますが、高齢になると、筋肉になりにくくなるため、より多く摂ることを意識してください。またビタミンDは、きのこ類、魚介類、卵に多く含まれます。
食事後の歯磨きは、口を清潔に保ち、風邪やインフルエンザ対策になるだけでなく、オーラルフレイルの予防に欠かせません。
天気の良い日には、人との距離をしっかりとった上で、ウォーキングなどの運動がおすすめです。筋肉や骨の維持、形成に欠かせないビタミンDは、日の光を浴びることで
つくりだされます。
また歩くことは気分転換にもなり、血流の循環を良くし自己免疫力を活性化してくれます。
30分から1時間程度の軽い散歩を日常的に心掛け、家の中でもできる範囲で身体を動かしましょう。椅子やテーブルに手をかけても構わないのでスクワットや片足立ち、足踏みなど、自分の身体の状態や体調に合わせて安全に行いましょう。
人とのつながりが希薄になると、認知機能が著しく低下するおそれがあります。
外出しにくい今の状況こそ、友人や家族と意識して、連絡を取り合いましょう。
ちょっとした挨拶や会話も大切、電話やオンラインを活用して、とにかくしゃべるこ
とを意識してください。
人とのつながりは、さまざまな不安やストレスを軽減し、安心して暮らすための重要なポイントです。
厚生労働省
厚生労働省
東京都福祉保健局
東京都健康長寿医療センター研究所
社会参加と地域保健研究チーム
ヘルシーエイジングと地域保健研究
「新型コロナウイルス感染症」高齢者として気をつけたいポイント
日本老年医学会
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